Article
医学研究:消費者向けスマートウォッチによる脈拍喪失の自動検出
Nature 642, 8066 doi: 10.1038/s41586-025-08810-9
院外心停止は、迅速な特定と介入を必要とする時間制限の厳しい緊急事態であり、目撃者なく突然に心停止した場合はほぼ生存不能である。心停止の主要な兆候は、突然の脈拍喪失である。時間に大きな予後予測的役割があることを考えれば、目撃者のない心停止をバイオセンサーで自動検出して医療支援を派遣することで、生存率が向上する可能性があるが、それは公的救急医療システムにかかる誤検出による負担を最小化した場合に限られる。今回我々は、スマートウォッチに搭載されたマルチモードの機械学習ベースのアルゴリズムが、社会規模での展開を可能にする性能閾値に到達できることを示す。まず、光電式容積脈波記録法を用いて、ウエアラブル光電式容積脈波記録測定による末梢の脈拍消失(動脈閉塞モデルで誘導)は、ありふれた心停止性不整脈である心室細動によって起こる脈拍消失と類似していることが明らかになった。我々は、光電式容積脈波記録信号(心室細動または動脈閉塞由来)のこうした類似性に基づき、末梢の脈拍消失と自由生活状態でのデータを用いて、脈拍喪失検知アルゴリズムの開発と検証を行った。開発後、このエンドツーエンドアルゴリズムを前向きに評価したところ、2件の前向き研究では、21.67ユーザー年当たり1件の意図しない緊急通報が発生し、前向き動脈閉塞心停止シミュレーションモデルにおける感度は67.23%(95%信頼区間64.32%〜70.05%)であった。これらの結果は、過剰な誤検出による社会的コストを最小化しつつ、突然の脈拍喪失をウエアラブルデバイスで検出する、大規模展開可能な機会を示している。

