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神経科学:腹側海馬CA1へのセロトニンとニューロテンシンの入力が逆の社会的誘意性を規定する
Nature 642, 8066 doi: 10.1038/s41586-025-08809-2
社会的経験に基づいて社会的行為者の誘意性を評価する能力は、動物が自身の属する社会集団の中で生存するために必須である。同種動物の初見個体と既知個体を識別するのに海馬回路が関与していることは知られているが、社会的誘意性を過去の履歴からどのように構築するのか、また、変動する関係性の中で誘意性の可変性を高める基盤はどのようなものかについては分かっていない。今回我々は、腹側(v)CA1が、背側縫線核からのセロトニン(5-HT)入力と視床室傍核(PVT)からのニューロテンシン入力を統合して、同種他個体の表現の正または負の誘意性を決定することを実証する。具体的には、食欲に関係する社会交流の際には5-HTがvCA1に放出され、5-HT1B受容体を介して錐体ニューロンを脱抑制するのに対し、忌避的な社会交流時にはニューロテンシンが放出され、NTR1を介して直接にvCA1ニューロンを増強する。背側縫線核5-HTまたはPVTニューロテンシンのvCA1への入力を光遺伝学的に抑制すると、それぞれの正と負の誘意性が損なわれ、刺激による活性化によって誘意性が柔軟に切り替わった。今回の結果は、忌避的または報酬を伴う社会的経験が、正反対の誘意性を教示するvCA1での背側縫線核5-HTとPVTニューロテンシンの信号の収束を介して同種他個体のアイデンティティーと結び付けられる仕組みを示すとともに、柔軟な社会誘意性計算のためのシナプススイッチを表している。

