概日リズム:PループNTPアーゼRUVBL2は真核生物全体で保存された時計構成要素である
Nature 642, 8066 doi: 10.1038/s41586-025-08797-3
真核生物の概日時計は、転写–翻訳のフィードバックループを使用して時を刻んでおり、その構造は菌類、植物、動物を含めた幅広い多様な生物で保存されている。このような機構的類似性にもかかわらず、これらの時計の分子的構成要素からは共通祖先が示されていない。今回我々は、哺乳類の概日時計超複合体の一部として概日リズムの位相と振幅に影響することがこれまでに判明している酵素であるPループNTPアーゼのRUVBL2が、極めて遅いATPアーゼ活性を介して概日周期に影響を及ぼしており、詳しく性質が解明されているシアノバクテリアのKaiCに基づいた時計と似ていることを明らかにした。RUVBL2バリアントのスクリーニングから、不規則、短周期、長周期の変異体が特定され、これらの変異体をアデノ随伴ウイルスによってマウス視交叉上核に送達したところ、概日運動活動リズムが変化した。また、酵素アッセイによって、野生型のRUVBL2は1日に約13分子のATPしか加水分解せず、典型的なATPアーゼに比べると代謝回転が非常に低いことが明らかになった。特に、ヒト、ショウジョウバエ(Drosophila)、菌類のアカパンカビ(Neurospora)では、RUVBL2オルソログと中核の時計タンパク質の間に物理的な相互作用があり、RUVBL2変異型オルソログの概日リズム表現型が種を超えて一致していることは、真核生物におけるRUVBL2の時計関連機能を強く支持している。このように、今回の研究は、RUVBL2が真核生物の時計に共通する中核構成要素であることを明確にするとともに、最初にシアノバクテリアで発見された遅いATPアーゼ活性が、真核生物の時計に共通した特徴であるという見方を裏付けている。

