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天体物理学:クエーサーの放射は合体中の伴銀河内のガスを変性させる
Nature 641, 8065 doi: 10.1038/s41586-025-08966-4
クエーサーは、超大質量ブラックホールへのガス降着によって駆動される、宇宙で最もエネルギーの高い天体の1つである。それらは銀河の合体によって引き起こされ、周辺のガスに影響を及ぼすと考えられているが、いずれの過程に関しても観測的な制約は乏しい。本論文で我々は、赤方偏移z ≈ 2.7に位置する大規模な合体中の系について報告し、一方の銀河のクエーサーからの放射が、もう一方の銀河のガスの特性を直接変化させていることを明らかにする。得られた知見から、これらの銀河は、質量中心がわずか数キロパーセクしか離れておらず、互いにおよそ550 km s−1の速さで近づいていて、共に大質量であり、星を生成中で、かなりの量の分子質量を含むことが明らかになった。しかし、クエーサーの中心核に対する吸収線に見られる塵に富んだ分子ガスは強く励起されていて、およそ105~106 cm−3の密度で0.02 pc未満という小さいガス塊内に閉じ込められており、これは、介在する(クエーサーでない)環境で観測されるものより数桁もコンパクトである。これはまた、高赤方偏移に位置する分子の輝線を通じて現時点で解像可能なスケールのおよそ10万分の1である。我々は、クエーサーの放射にさらされる場所ではどこであれ、分子ガスが破壊され、新しい星を生み出すには小さ過ぎる高密度な分子雲が残存していると推測する。我々の結果は、クエーサーの活動を誘発する上で大規模な銀河の合体が果たす役割を強調するだけでなく、星形成を妨げる可能性のある、内部のガス構造に重大な変化をもたらす局所的な負のフィードバックの存在を明らかにしている。

