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惑星科学:月ごとの潮汐応答から推測される月のマントルの熱的非対称性

Nature 641, 8065 doi: 10.1038/s41586-025-08949-5

月は、地球を周回する軌道が偏心し傾いているため、周期的な潮汐力を受けている。この潮汐相互作用に対する応答は、月の重力場の時間的変化を駆動し、月の内部構造に敏感である。今回我々は、NASAの探査機GRAILで得られたデータを用いて、3次の重力潮汐ラブ数k3を含む、時間変化する月の重力場を復元した。本論文では、球対称の月に対して予想されるよりも約72%大きい、k3 = 0.0163 ± 0.0007という推定値を報告する。こうした大きなk3は、マントルの剛性率が月の表と裏で約2~3%異なるとすれば説明でき、これにより、月の深部の水平方向の不均一性が観測的に実証された。この非対称構造は、月の表側表面の海の領域を30億~40億年前に形成したマントル内部に、約100~200 Kの主に熱的な異常が保持されていることを示唆しており、深部月震の空間分布に影響を及ぼしている可能性がある。

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