古生物学:羊膜類の最初期の生痕化石によって再較正された四肢動物の進化の時系列
Nature 641, 8065 doi: 10.1038/s41586-025-08884-5
クラウン群羊膜類の既知の化石記録は、竜弓類(蜥形類)であるNotalacertaの生痕化石やヒロノムス(Hylonomus)の体化石によって後期石炭紀に始まる。一方、クラウン群四肢類の最初期の体化石は石炭紀の中頃のもので、最古の生痕化石は前期石炭紀にさかのぼる。これは、四肢類のクラウン群が石炭紀の最初期(トルネーシアン期の前期)に起源を持ち、羊膜類のクラウン群が後期石炭紀の前半に出現したことを示唆している。今回我々は、この広く受け入れられている時系列に疑問を呈する、オーストラリアで発見された新たな生痕化石データを提示する。ビクトリア州Taungurungカントリーのスノーウィープレーンズ累層から見つかった生痕化石の石板は、年代がトルネーシアン期の前期と確定され、そこには原始的な竜弓類である可能性の高い、かぎ爪のある足を持つクラウン群羊膜類の足跡が残されていた。これによって、クラウン群羊膜類の起源の推定時期は少なくとも3500万~4000万年さかのぼることになる。我々はまた、Notalacertaの存在期間も前期石炭紀まで拡大した。今回のオーストラリアの生痕化石は、羊膜類のクラウン群の節(ノード)の年代がデボン紀/石炭紀の境界付近にあるに違いなく、四肢類のクラウン群のノードはデボン紀のかなり古い年代に位置するはずであることを示しており、分子系統樹の枝の長さに基づく推定からは、四肢類のクラウン群ノードのおおよその年代がフラニアン期の前期に位置付けられた。今回の結果が四肢類の初期進化研究にもたらす影響は大きく、ステム群四肢類およびステム群羊膜類の全ての系統は、デボン紀に起源を持つに違いないことになる。四肢類の進化は以前の予想より急速に進んだとみられ、デボン紀の四肢動物の記録はこれまで考えられていたよりはるかに不完全であるようだ。

