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幹細胞:ヒト多能性幹細胞から創出した複数ゾーンを備えた肝オルガノイド
Nature 641, 8065 doi: 10.1038/s41586-025-08850-1
異なる肝細胞亜集団が門脈–中心静脈軸に沿って空間的に分かれて存在しており、これらは肝臓の代謝恒常性と損傷について理解する上で重要である。ゾーンの運命決定には、アスコルビン酸やビリルビンなどのいくつかの生理活性分子が役割を果たしていることが知られているが、肝臓のゾーン構造はin vitroではまだ再現されていない。本研究で我々は、肝臓のゾーン特性を再現するために、ヒト誘導多能性幹細胞由来のアスコルビン酸を豊富に含む肝前駆細胞とビリルビンを豊富に含む肝前駆細胞を共培養することで、自己組織化するゾーン特異的な肝オルガノイドを開発した。あらかじめ条件を調整した肝細胞様細胞は、尿素回路、グルタチオン合成、グルタミン酸合成に関連するゾーン特異的機能を示すことが分かった。これらのゾーン化されたパターンを持つオルガノイドの単一核RNA塩基配列解読解析によって、門脈周囲、中間ゾーンおよび中心静脈周囲のヒト肝細胞を決定する肝芽細胞の分化軌跡が明らかになった。エピジェネティクス解析とトランスクリプトミクス解析では、ゾーンのアイデンティティーは、アスコルビン酸あるいはビリルビンに依存的な、TET1あるいはHIF1αに対するEP300の結合によって制御されることが分かった。自己組織化したゾーンパターンを持つヒトオルガノイドの移植は、高アンモニア血症と高ビリルビン血症を改善することで、胆管結紮した免疫不全ラットの生存を改善した。この複数のゾーンを備えたオルガノイドシステムは、in vitroのヒトモデルとして機能し、肝臓の発生と疾患に関連した肝臓の構造をより正確に再現していると考えられる。

