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分子生物学:哺乳類の統合的ストレス応答の可塑性

Nature 641, 8065 doi: 10.1038/s41586-025-08794-6

真核生物の翻訳開始因子eIF2α(EIF2S1がコードしている)のリン酸化レベルの上昇(eIF2α-p)とeIF2Bのグアニンヌクレオチド交換活性の低下の共役は、カノニカルな統合的ストレス応答(c-ISR)の特徴である。白質ジストロフィーなどのヒトの疾患でのeIF2B活性の障害は、eIF2α-pが誘発されないと生じるが、これがc-ISRと同義であるかは不明である。今回我々は、eIF2B活性の低下が引き金となって起こる、c-ISRとは別の機構を明らかにし、これをsplit-ISR(s-ISR)と命名した。s-ISRは、c-ISRで見られるのとは異なった翻訳プログラムおよび転写プログラムを特徴とする。c-ISRとは対照的に、s-ISRには上流オープンリーディングフレーム1のeIF4Eに依存した翻訳とその後のATF4mRNAの安定化が必要である。これに続いて、一群の代謝遺伝子(PCK2など)の発現が変化し、その結果としてeIF2B活性が減衰した際に細胞の生体エネルギーを維持するのに必要な代謝再構成が起こる。これらのデータを総合することによって、eIF2α-pが誘発されずにeIF2B活性が失われると、eIF4E–ATF4–PCK2軸が活性化されてエネルギーの恒常性を維持するという、哺乳類ISRの可塑性が明らかになった。

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