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代謝:低温記憶は全身の体温調節応答を制御する
Nature 641, 8064 doi: 10.1038/s41586-025-08902-6
環境温度チャレンジにより、脳は自律神経応答と行動応答の両方を調整して最適な体温を維持しようとする。温度情報の貯蔵と検索が脳内で正確に行われる仕組みや、それが生理学的応答に変換される仕組みについては不明である。今回我々は、マウスで温度チャレンジを記憶させる訓練を行うことで、記憶が全身の代謝を制御できるようになるかどうかを検証した。体温調節のパブロフ型条件付けを、エングラム標識技術、光遺伝学、化学遺伝学と組み合わせることで、状況を特定の温度と関連付けるようマウスを条件付けした。その結果、マウスは以前に4 ℃の低温チャレンジを経験した環境に戻されると、実際の環境温度にかかわらず代謝率が上昇した。さらに、低温に曝露されたマウスでは視床下部の活動が亢進すること、そして低温記憶を想起する際には、海馬と視床下部の間に特定のネットワークが生じることが分かった。海馬における低温感受性記憶エングラムの自然な想起と人為的な再活性化はどちらも、低温チャレンジの際に見られる生理学的応答を模倣した。また、これらのアンサンブルは低温記憶の検索に不可欠であった。これらの知見は、低温記憶の検索は全身の自律神経応答と行動応答を引き起こし、これによってマウスは体温の恒常性維持が可能になることを示している。

