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細胞生物学:空間的マルチオミクス解析によって明らかになった細胞タイプ特異的な核区画

Nature 641, 8064 doi: 10.1038/s41586-025-08838-x

哺乳類の核は多様な核内構造によって区画化されている。これらの核内構造は、核内小体とヒストン修飾によって標識されており、細胞タイプ特異的である場合が多く、遺伝子発現調節と三次元ゲノム構成に影響を及ぼす。これらの関係性の解明は、核内構造の分子成分の識別、およびそれらと特異的なゲノム座位および転写レベルとの関連のマッピングを、どれも複雑な組織内にある個々の細胞について行うことに懸かっている。今回我々は、2層式のDNA seqFISH+法を開発した。この方法では、単一細胞の10万49箇所のゲノム座位を同時に、しかも1万7856個の遺伝子の新生トランスクリプトームおよび核内構造と共にマッピングすることができる。これらのデータによって、さまざまな核内構造体について画像をベースとするクロマチンプロファイリングが可能になり、マーカーやDNA座位に応じて100〜200キロ塩基から約1メガ塩基の範囲のゲノム規模で、クロマチンの変化を捉えることができる。成体マウスの小脳におけるマルチオミクスデータセットを用いることで、抑制性クロマチン領域の方が、活性なクロマチン領域と比べた場合、ゲノム全体にわたって細胞タイプによる変動が大きいことが明らかになった。また、RNAポリメラーゼIIの多い座位が、長い細胞タイプ特異的遺伝子(200キロ塩基以上)と、核スペックルとは異なった様式で局所的に関連していることも分かった。さらにこの解析によって、ヒストンH3のリシン27のトリメチル化(H3K27me3)によって標識されたヘテロクロマチンの細胞タイプ特異的領域には特異的な遺伝子が、またヒストンH4のリシン20のトリメチル化(H4K20me3)によって標識されたヘテロクロマチンの細胞タイプ特異的領域には遺伝子クラスターが、それぞれ多く含まれ、ニューロンとグリア細胞での放射状の染色体配置と染色体間相互作用をもたらすことが明らかになった。本研究により、核内構造、関連するゲノム座位、それが遺伝子調節に及ぼす影響について、単一細胞の高分解能マルチオミクス画像を、複雑な組織内で直接的に得ることが可能になった。

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