免疫学:マクロファージは肝細胞のグルタミン酸を活用して肝再生を増強する
Nature 641, 8064 doi: 10.1038/s41586-025-08778-6
肝切除後の肝再生は、体の特定の要求との正確な調整に従って起こる。しかし、その効率に影響する分子機構や因子、特定の肝細胞集団についてはまだ明らかにされていない。本論文で我々は、URI1(unconventional RPB5 prefoldin interactor 1)が関与するユニークな再生機構を報告する。この機構において、URI1は中心静脈周囲肝細胞でもっぱらグルタミンシンターゼ(GS)と共局在してこれに結合し、GSを活性化する。マウスの中心静脈周囲肝細胞でGSやURI1を遺伝学的に枯渇させると、循環血中のグルタミン酸レベルが増加し、3分の2肝切除後の肝再生を促した。逆に、マウス肝細胞でURI1を過剰発現すると肝臓の回復が阻害され、この効果はグルタミン酸の補充やGSの遺伝学的枯渇によりグルタミン酸レベルを高めることで無効にできた。グルタミン酸は骨髄由来マクロファージを代謝的に再プログラム化して、HIF1αを安定化させ、それがWNT3の転写を活性化してYAP1依存的な肝細胞増殖を促進することで、肝再生を増強する。URI1によるGSの調節は、おそらく体の恒常性や栄養供給に基づいて肝増殖を時空間的に微調整するための、至適グルタミン酸レベルを維持する機構である。そのため、グルタミン酸レベルの低い肝硬変マウスや肝切除後の早期死亡、90%肝切除を受けたマウスを含む、急性および慢性損傷モデルにおいて、グルタミン酸を補充すると肝細胞の増殖と生存が高まった。さらに、URI1とGSの発現はヒト肝細胞で共局在し、肝疾患の各ステージを通して免疫細胞のWNT3と相関していることが分かった。従って、グルタミン酸の補充は肝再生を補助することができ、移植待機中の患者や肝切除後から回復しつつある患者に有益である。

