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大気化学:大気中メタンの季節振幅の傾向

Nature 641, 8063 doi: 10.1038/s41586-025-08900-8

メタンは重要な温室効果ガスであり、その大気中濃度は産業革命以前の時代から約3倍近くに増加している。大気中メタンの混合比は季節によって変化し、この季節サイクルの振幅(SCA)は1980年代以降、北半球高緯度域では減少し、亜熱帯地域と熱帯地域では増加している。メタン排出とメタンシンクはSCAに対して逆の影響を及ぼすので、こうしたSCAの反対の傾向は、全球のメタン収支の長期変動の理解に役立つ。しかし、メタンのSCAの傾向は、まだ詳しく調べられていない。今回我々は、一連の大気輸送モデルシミュレーションを用いて、観測されているメタンの季節振幅傾向は、排出量の変化と、ヒドロキシルラジカル(OH)との反応による大気シンクの変化に起因することを示す。我々は、北半球高緯度域における振幅の減少は、温暖化した気候による(湿地などでの)天然排出量の増加に主に起因することを見いだしており、正の気候フィードバック効果を示唆するこれまでの研究に証拠を加えている。一方、亜熱帯地域と熱帯地域におけるメタン振幅の増大は、OH酸化の増強に主に起因すると思われる。今回の結果から、1984年以降の10 ± 1%という対流圏OH濃度の上昇に対する独立した証拠が得られ、大気中メタン濃度の上昇と合わせて、大気中メタンシンクが21 ± 1%増大したことが示唆される。

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