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超伝導:トンネル分光法によって測定されたH3Sの超伝導ギャップ
Nature 641, 8063 doi: 10.1038/s41586-025-08895-2
水素を豊富に含む超伝導体のいくつかは、前例のない高い臨界温度を示すことが見いだされたことで、こうした材料における超伝導の性質に関する研究が活発に行われるようになっている。それらの巨視的な超伝導特性は確立されているものの、対形成機構に関する微視的な知見は依然として得られていない。今回我々は、トンネル分光測定を行うことで、高温超伝導体H3Sとその重水素置換体であるD3Sの超伝導ギャップ構造の特徴を明らかにした。トンネル分光スペクトルから、H3SとD3Sが共に、単一のs波のDynesモデルでよく記述できるフルギャップ構造を持ち、ギャップ値2Δはそれぞれ約60 meVと44 meVであることが示された。さらに我々は、合成の不十分な硫化水素試料において、Hが欠乏している可能性の高い別のHxS超伝導相のギャップの特徴を観測した。今回の研究は、水素を豊富に含む超伝導体H3Sの超伝導に関する、微視的観点での直接的な実験的証拠を提示している。今回の結果は、超伝導対形成のフォノン媒介機構を確認するとともに、水素を豊富に含む化合物における高温超伝導の起源についての理解を深めるための基礎を提供している。

