Article

生化学:ヒストンH1の脱アミドはDNA修復のためのクロマチン弛緩を促進する

Nature 641, 8063 doi: 10.1038/s41586-025-08835-0

DNA二本鎖切断を効率良く修復するためには、その周辺のクロマチンを接近可能にすることが不可欠である。リンカーヒストンH1はクロマチンの高次の凝縮を促進することが知られているが、H1の修飾がDNA損傷に応じてクロマチンの弛緩を調節する仕組みは解明されていない。今回我々は、CTPシンターゼ1(CTPS1)の触媒作用によるH1アスパラギン残基76と77の脱アミドが引き金となって、DNA損傷後にリシン75のアセチル化が続いて起こり、この二重のH1修飾がクロマチンの開放に関連付けられることを明らかにした。仕組みとしては、ヒストンアセチルトランスフェラーゼp300は脱アミドしたH1を優先的に基質としており、そのためH1の脱アミドがその後のアセチル化の必要条件となる。また、CTPS1の高発現は、マウスの異種移植モデルと臨床コホートの両方で、がんの放射線治療抵抗性に関連していた。これらの知見から、DNA損傷応答におけるクロマチンの動的変化をリンカーヒストンがどのようにして調節するのかについて、新たな洞察が得られた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度