生態学:植物におけるマイクロプラスチックの蓄積に対する葉を介した吸収の寄与
Nature 641, 8063 doi: 10.1038/s41586-025-08831-4
植物による吸収は、多くの汚染物質の食物網への侵入において重要である。陸上のマイクロプラスチック(MP)は根から吸収され得るが、その上方への転流は低速である。一方、MPは大気中にも広く存在しており、植物による直接的な吸収を強く裏付ける証拠はまだ得られていない。今回、質量分析検出法を用いた解析により、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリスチレン(PS)のポリマーやオリゴマーが植物の葉に広く存在することが示され、そのレベルが大気中の濃度および葉の成長期間の長さに応じて上昇することが明らかになった。調査対象となった地域のうち、ダクロン工場や廃棄物の最終処分場といった高汚染地域ではPETおよびPSポリマーの葉中濃度が乾燥重量1 g当たり最高で104 ngに達することがあり、露地栽培の葉物野菜では乾燥重量1 g当たり102~103 ngのPETおよびPSが検出された。葉中のナノサイズのPETおよびPS粒子は、ハイパースペクトルイメージングおよび原子間力顕微鏡–赤外分光法によって視覚的に確認された。トウモロコシ(Zea mays L.)の葉を、非標識、蛍光標識またはユウロピウム標識のプラスチック粒子に意図的に曝露したところ、それらの気孔経路を介した吸収、アポプラスト経路を介した維管束組織への転流、毛状突起での蓄積が、ハイパースペクトルイメージング、共焦点顕微鏡法、レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法によって確認された。以上の結果は、大気中のMPの植物の葉による吸収と蓄積が環境中で広く起きていることを実証しており、環境中のMPに対するヒトおよび他の生物の曝露を評価する際にはこれを無視すべきでない。

