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生体エネルギー学:ミトコンドリアの呼吸能と多様性のヒト脳地図

Nature 641, 8063 doi: 10.1038/s41586-025-08740-6

ミトコンドリアの酸化的リン酸化(OXPHOS)は脳の活動を促進し、ミトコンドリアの異常は神経変性疾患や神経精神疾患に結び付けられている。脳の活動や行動の基盤を理解するためには、脳の分子的エネルギー全体像を明らかにする必要がある。今回我々は、認知神経科学と細胞生物学の間のスケールギャップを橋渡しするために、物理的なボクセル化手法を開発して、ヒト脳半球の凍結冠状切片を、神経画像解析の一般的なサイズ(3 × 3 × 3 mm)に相当する703のボクセルに分割した。そして、脳の皮質および皮質下の各ボクセルにおいて、OXPHOS酵素活性、ミトコンドリアのDNAや体積密度、ミトコンドリア特異的な呼吸能など、ミトコンドリアの表現型をプロファイリングした。その結果、ヒト脳には、トポロジーおよび細胞タイプの両方によって駆動される多様なミトコンドリア表現型が含まれることが分かった。灰白質には、白質よりもミトコンドリアが50%以上多く含まれていた。さらに、灰白質のミトコンドリアは、特に最近進化した皮質脳領域の中では、エネルギー変換のために生化学的に最適化されていた。我々は、これらのデータを全脳にスケーリングし、いくつかの神経画像化モダリティーを統合した後退型線形回帰モデルを作り出して、ミトコンドリアの分布と特殊化についての脳規模の地図を作成した。このモデルは、同一ドナーの脳の独立した脳領域においてミトコンドリアの特性を予測した。この手法とその結果得られたミトコンドリアの表現型についてのMitoBrainMapは、正常な脳機能を可能にする分子的エネルギー全体像を探索する基盤となる。この資源は、神経画像化データとも関連しており、また、神経精神疾患および神経変性疾患に関係する領域化された脳過程の細胞内基盤を明らかにする。全データは、http://humanmitobrainmap.bcblab.comで利用可能である。

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