テクトニクス:太平洋のホットスポットによって明らかになった、ルイビルとオントンジャワ・ヌイのテクトニクス的関連性
Nature 641, 8062 doi: 10.1038/s41586-025-08889-0
火山性ホットスポットは、上昇するマントルプリューム頂部の融解によって形成され、プリューム尾部の融解が続くと考えられている。その後、プレート運動によって、大規模火成区を起源とする年代ととともに進行する火山列が生み出され、現在活動的なホットスポットになっている。しかし、太平洋中央部にある最も巨大な大規模火成区である、年代値が約1億2000万年前のオントンジャワ・ヌイ海台(OJP-Nui)には、明らかな火山列がない。ルイビル・ホットスポット列がその候補として最初に提案されたが、8000万年前以前の太平洋のプレート絶対運動とプリューム運動の限られた制約条件は、不一致を示唆している。既存の太平洋モデルは、連続的なハワイ–天皇海山列とルイビル海山列の年代–距離データに依存しているが、約8000万年前より古い海山列は沈み込んでしまっている。太平洋プレートの他の場所では、8000万年前以前に形成された海山列は不連続なものしか報告されていない。今のところ、ルイビル・プリュームとOJP-Nuiを関連付けるには約1200 kmの緯度方向の運動がモデルに必要となるが、約7000万年前から現在までの古緯度の見積もりは現在の位置の誤差範囲内にあり、これは、ルイビル・プリュームの大きな運動が起きたのはそれ以前であったことを示唆している。今回我々は、地球化学と地球年代学を組み合わせて、サモアとルルツ–アラゴが最も年代の古い太平洋のホットスポットであり、これはマリアナ海溝に沈み込む前の1億年以上前までたどれることを立証する。これらの海山列によって、1億〜8000万年前のプレート運動がよりよく絞り込まれ、太平洋の絶対プレート運動モデルを更新して、大きなプリューム運動を必要とすることなくルイビル海山列とOJP-Nuiを関連付けることが可能になる。

