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ペロブスカイトLED:高性能純赤色ペロブスカイトLEDに向けた粒内3Dペロブスカイトヘテロ構造

Nature 641, 8062 doi: 10.1038/s41586-025-08867-6

金属ハロゲン化物ペロブスカイトは、次世代の発光ダイオード(LED)の有望な発光体候補である。純赤色のペロブスカイトLED(PeLED)で高輝度と高効率を同時に実現することが、引き続き目標となっている。三次元(3D)のCsPbI3−xBrx発光体は、優れたキャリア輸送能力と高い色純度を示すことから、効率的で超高輝度の純赤色PeLEDを実現できる可能性がある。しかし、そうしたデバイスは効率のロールオフを生じやすく、その結果、高電流密度では効率が低く輝度も低くなる。今回我々は、電気励起過渡吸収分光法を用いることで、この効率ロールオフが、正孔リークによって誘起されることを発見した。そして、狭バンドギャップ発光体と、注入されたキャリアを閉じ込める広バンドギャップ障壁を収容したCsPbI3−xBrx粒内ヘテロ構造を開発した。強く結合する分子を[PbX6]4−骨格に導入することで、広バンドギャップ障壁が組み込まれ、3D CsPbI3−xBrx格子が拡大した。この戦略の結果、2万4600 cd m−2の高輝度、24.2%の最大外部量子効率と低い効率ロールオフを持ち、2万2670 cd m−2の高輝度で10.5%の外部量子効率を維持する高輝度の効率的な純赤色PeLEDが得られた。

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