Analysis

環境科学:ライフサイクルアセスメントを用いて持続可能な冷たいクラウドに革新をもたらす

Nature 641, 8062 doi: 10.1038/s41586-025-08832-3

気候変動に対処するには、特にデータセンターやクラウドなどの急速に成長しているインフラ向けの、エネルギーや水を大量に消費する技術に対する持続可能な代替技術の開発を加速する必要がある。本論文で我々は、仮想マシンからサーバーアーキテクチャー、データセンタービル、グリッドまで、クラウドインフラに対して先進的な冷却技術が与える影響を調べた、ライフサイクルアセスメント研究を提示する。ライフサイクルアセスメントは、初期段階の設計決定に重要であり、実現可能性分析やコスト分析と共に、持続可能性の成果を向上させる。我々は、複雑なクラウドエコシステム(ソフトウエア、チップ、サーバー、データセンタービルを含む)に対するライフサイクルアセスメントの構築、さまざまな先進冷却技術がこのエコシステムとどのように相互に作用するかの分析、持続可能性の観点からのそれぞれの技術の評価について検討し、採用の指針を与える。ライフサイクルアセスメントによって、コールドプレートや液浸冷却などの先進冷却技術の利益を定量化したところ、データセンターでは温室効果ガス排出量(15~21%)、エネルギー需要(15~20%)、淡水資源消費量(31~52%)が削減されることが分かった。この包括的手法は、さまざまな資源集約型技術にわたって持続可能な革新を後押して変化をもたらす、ライフサイクルアセスメントの可能性を立証している。

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