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地球物理学:リソスフェア運動と海嶺拡大に対する氷河強制の影響
Nature 641, 8061 doi: 10.1038/s41586-025-08846-x
氷期サイクルは第四紀を通して地球の表面過程に大きな影響を及ぼし、気候、海水準、地震活動、マグマ活動に影響を及ぼしてきた。しかし、リソスフェア運動に対する氷河作用と退氷作用の影響(すなわち氷河強制)は解明されていない。今回我々は、こうした影響を調べるために、弱いプレート縁辺、リソスフェアの厚さの変動、地殻構造など、現実的なリソスフェア構造を持つ高分解能数値モデルを構築した。その結果、最終氷期サイクルにおいて、氷河強制が、リソスフェア運動と主要な氷床の近傍にあった大洋中央海嶺の拡大速度を著しく変化させたことが示された。例えば、北米プレートにおける退氷によって生じた動きには、1万年の時間スケールにわたってテクトニックプレート運動の最大で約25%の回転成分があった。グリーンランドとフェノスカンディアの退氷は、1万2000〜6000年前にアイスランド海嶺の拡大速度に最大で40%の変動をもたらしており、これによってアイスランドの完新世火山活動を説明できる可能性がある。今回のモデルは、退氷期(氷期)における全球の海洋底生成速度の上昇(低下)も示しており、これはマントルの脱ガス速度に関連してくる。こうした結果は、氷期サイクル、リソスフェア運動、海嶺拡大、氷期の気候の間の重要な力学的相互作用を浮き彫りにしている。

