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有機金属化学:金属中心平面[15]アヌレン
Nature 641, 8061 doi: 10.1038/s41586-025-08841-2
フェロセンの発見は、現代有機金属化学の到来を告げるものであった。フェロセンやその類似体は、1つまたは2つの平面アヌレンアニオンによる単一金属へのπ配位を特徴とし、面外アヌレン金属錯体の典型例となっている。対照的に、アヌレンの中心部に金属を導入して金属–炭素間のσ結合を特徴とする面内アヌレン金属錯体を形成することは、適切な内寸を持つアヌレンの合成の難しさおよびその非平面性だけでなく、金属を埋め込むことの難しさによっても阻まれてきた。これらの難題のせいで、そうした面内アヌレン金属錯体は単離できていない。今回我々は、3種類の金属中心平面[15]アヌレン骨格を合成したことを報告する。最も対称的なフラグメントはD5h対称性を持ち、5つの同一の5員環が金属中心を共有している。密度汎関数理論計算によって、金属のd軌道がこれらの5員環との共役に関与しており、それら全てが芳香族になっていることが実証された。全体の骨格は、複数のアザ供与体を持つ環拡張金属ポルフィリンと構造的および分光学的に大まかに類似しており、これによって、アヌレン化学と古典的なヘテロ原子系配位化学のつながりがもたらされる。今回の系は高い安定性を示し、官能基化が容易である。従って我々は、金属中心平面アヌレンが、材料科学の有望な構成要素として浮上する可能性があると提案する。

