Article

電子工学:2D強化ホットキャリア注入によって可能になったサブナノ秒フラッシュメモリー

Nature 641, 8061 doi: 10.1038/s41586-025-08839-w

不揮発性フラッシュメモリーや高速揮発性SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリー)の能力を超える、プログラム速度1 ns未満の不揮発性メモリーの追求は、依然としてメモリー技術分野における長年の課題である。先進材料によって可能になった基礎物理学の革新を利用して、不揮発性メモリーの速度ボトルネックを克服するために、一連の新たなメモリーが開発されつつある。最も広く適用されている不揮発性メモリーであるフラッシュの速度は、電界支援プログラムの効率が低いことによって制限されており、これまでに報告された速度は1 ns未満よりもずっと遅い。今回我々は、電子注入と正孔注入の両方に対応できる、二次元(2D)強化ホットキャリア注入機構に基づく2Dディラック・グラフェンチャネル・フラッシュメモリーを報告する。このディラック・チャネル・フラッシュは、400 psのプログラム速度、不揮発性ストレージ、5.5 × 106サイクルを超えるロバストな耐久性を示す。今回の結果から、この極薄ボディーチャネルが水平電界(Ey)分布を最適化できることが確認され、Ey支援プログラムの効率の向上によって、|VDS| = 3.7 Vで注入電流が60.4 pA µm−1に増大した。我々はまた、2D半導体である二セレン化タングステン(WSe2)は2D強化ホットホール注入を実現するが、注入挙動が異なることを見いだした。今回の研究は、不揮発性フラッシュメモリーの速度が、同じチャネル長を持つ最速の揮発性SRAMのものを超える可能性があることを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度