神経科学:機能的に別個な皮質ニューロンの脳規模シナプス前性ネットワーク
Nature 641, 8061 doi: 10.1038/s41586-025-08631-w
機能が特定された個々のニューロンの結合性を明らかにすることは、どのように活動パターンが生じ、行動を支援するかを理解するために必要である。しかし、各ニューロンの機能選択性の基盤をなす脳規模のシナプス前性結合規則は、ほとんど未解明である。皮質ニューロンは、一次感覚皮質においてすら、その感覚刺激に対する選択性のみならず行動の複数の側面に対する選択性に関しても均一ではない。今回我々は、一次体性感覚皮質(S1)で、錐体ニューロンの行動状況選択性の基盤となるシナプス前性結合規則を検討するため、2光子カルシウム画像化法、神経薬理学、単一細胞ベースの単一シナプス入力追跡法、光遺伝学を適用した。その結果、行動状況依存的な活動パターンは長時間安定しており、直接の神経修飾性入力から受ける影響は最小限で、主としてグルタミン酸作動性入力によって駆動されていることが分かった。異なる行動状況依存的な活動プロファイルを持つ個別ニューロンの脳規模のシナプス前性ネットワークの解析から、行動状況関連ニューロンと行動状況非関連ニューロンは、S1内での局所的入力は類似の活動パターンを示す一方、長距離のグルタミン酸作動性入力は異なることが明らかになった。各皮質ニューロンは、その機能上の性質とは無関係に、主要なS1投射領域からの収斂的入力を受けていた。しかし、行動状況を追跡するニューロンは、より小さな割合の運動皮質入力と、より大きな割合の視床入力を受けていた。視床入力を光遺伝学的に抑制すると、S1内の行動状況依存的活動は減少したが、この活動は外因的に駆動されたものではなかった。今回の結果から、異なる長距離グルタミン酸作動性入力が、行動状況と関連するあらかじめ設定されたネットワーク動態の基盤であることが明らかになった。

