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がん遺伝学:BCR::ABL1が駆動する慢性骨髄性白血病のタイミングと軌跡
Nature 640, 8060 doi: 10.1038/s41586-025-08817-2
一部の遺伝子の変異は、制御不能な細胞増殖やがんを引き起こす。がんとのこのような遺伝的結び付きをまさに初めて示したのが、慢性骨髄性白血病(CML)のフィラデルフィア染色体である。しかし、CMLに至る軌跡、BCR::ABL1クローンの拡大率、そしてこれがCMLに影響を及ぼす仕組みはほとんど分かっていない。今回我々は、22~81歳のCML患者9人から得た1013の造血コロニーの全ゲノム塩基配列解読を用いて、造血の系統樹を再構築した。BCRおよびABL1のイントロン内での切断は常に観察されるわけではなく、BCR::ABL1を生じるのにエキソンスキッピングを必要とする、BCRのエキソン内のアウト・オブ・フレーム切断点も見つかった。ASXL1とRUNX1の変異の他は、骨髄系遺伝子でのさらなる変異が主に野生型細胞に存在した。BCR::ABL1に起因する爆発的な増殖は、診断の3~14年(信頼区間2~16年)前に開始し、年間増殖率は年当たり7万%を超えると推定された。テロメア長が短縮したBCR::ABL1細胞で変異の蓄積が多いことは、過剰な細胞分裂を反映している。クローン拡大率は診断までの時間と逆相関した。一般集団におけるBCR::ABL1はCMLの罹患率を反映しており、進行期および/あるいは急性転化期のCMLはその後のゲノム進化で特徴付けられた。これらのデータは、BCR::ABL1融合の発がん能を明らかにするとともに、大半のがんが遅くて連続的なクローン軌跡を持つこととは対照的である。

