Article

医学研究:空間免疫スコアリングシステムは肝細胞がんの再発を予測する

Nature 640, 8060 doi: 10.1038/s41586-025-08668-x

肝細胞がん(HCC)の切除後再発率の高さを考えると、切除後の再発リスクが高い患者を早期に特定する手法が、患者の転帰を改善し、医療資源の優先順位付けに役立つ可能性がある。今回我々は、61人のHCC患者の浸潤先端部や腫瘍中心部において、ナチュラルキラー(NK)細胞に、再発と関連する明確な空間的分布があることを観察した。我々は、XGBoost(extreme gradient boosting)と逆分散重み付けを用い、5つのバイオマーカー(SPON2、ZFP36L2、ZFP36、VIM、HLA-DRB1)の空間的な発現パターンに基づいて腫瘍免疫微小環境空間(TIMES)スコアを開発し、HCC再発リスクを予測した。このTIMESスコアは、TNMシステムやBCLCシステムなど、患者のリスクを層別化するための現在の標準ツールより優れていた(ハザード比 = 88.2、P < 0.001)。このモデルを5つの多施設コホートの患者231人で検証したところ、リアルワールドにおいて82.2%の精度と85.7%の特異度が達成された。これらのバイオマーカーの予測力は、これらの空間分布の統合によるもので、個々のマーカーの発現レベル単独で得られるものではない。NK細胞特異的Spon2ノックアウトマウスなどのin vivoモデルでは、SPON2が浸潤先端部でIFNγ分泌とNK細胞の浸潤を促進することが明らかになった。今回の研究は、HCCの再発リスクを予測する一般公開ツールであるTIMESについて紹介したもので、早期段階のHCCの治療方針決定に役立つ可能性に関する知見をもたらしている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度