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進化遺伝学:ニューロンのヒト加速領域の比較特性解析
Nature 640, 8060 doi: 10.1038/s41586-025-08622-x
ヒト加速領域(HAR)は、チンパンジーからの分岐後に急速なヌクレオチド置換を経験した、保存されたゲノム座位である。HARは、神経発生遺伝子に近接する候補調節領域に多く見られ、これは遺伝子調節においてそれらが果たす役割を示唆している。しかし、それらの標的遺伝子や、ヒト脳発生への機能的寄与については、ほとんど未解明である。今回我々は、ヒトとチンパンジーの誘導多能性幹(iPS)細胞から誘導した興奮性ニューロンで、HARのシス調節性機能を検討した。我々は、ゲノムとクロマチンループ形成の情報を用いて、20のHARとそれらのチンパンジーオルソログを優先して、単一細胞CRISPR干渉法による機能的特性解析を行い、それらの種特異的な遺伝子調節機能を明らかにした。得られた知見から、ヒトニューロンでHARが媒介するシス調節の多様な機能上の帰結が明らかになり、その中には、HAR202の複数の転写因子の結合親和性の変化によるNPAS3の発現低下や、2xHAR.319によるPUM2の上方制御を介してのiPS細胞の多能性とニューロン分化能の維持が含まれていた。我々はまた、プライム編集を用いて、複数のHAR26;2xHAR.178バリアントによって引き起こされる、異なるエンハンサー活性を実証した。具体的には、HAR26;2xHAR.178の1つのバリアントが、ヒトニューロンにおけるSOCS2の発現上昇および神経突起伸展の増加と結び付けられた。従って今回の研究は、HARの内因性遺伝子調節機能と、それらのヒト脳進化への寄与の可能性に、新たな光を当てるものである。

