Article
ウイルス学:カニクイザルにおけるウシ由来H5N1クレード2.3.4.4b感染の病原性の機序
Nature 640, 8060 doi: 10.1038/s41586-025-08609-8
2022年初頭以降、米国全土の野生の水鳥や家禽で高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)H5N1ウイルス感染が報告され、いくつかの哺乳類種への異種間伝播が起きている。2024年3月にはHPAIウイルス(HPAIV)のH5N1クレード2.3.4.4bが米国テキサス州の乳牛で初めて検出され、多くの州の酪農場で流行が続いている。感染した乳牛では乳汁の産生量や品質が低下し、乳汁中のウイルス力価が高いため、ヒトを含む哺乳類への消費を介した曝露に関する懸念が生じている。今回我々は、ヒト感染の代替モデルであるカニクイザルにおいて、ウシ由来HPAIV H5N1クレード2.3.4.4bの感染経路を調べた。その結果、カニクイザルでの経鼻接種と経気管接種は全身性感染を引き起こし、それぞれ軽症と重症の呼吸器疾患になることが明らかになった。これに対して、経口胃経路による感染は限局性の感染で、カニクイザルは無症状のままでセロコンバージョンとなった。

