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微生物学:菌類の細胞膜に存在するリン脂質を標的とするポリエンマクロライド

Nature 640, 8059 doi: 10.1038/s41586-025-08678-9

多剤耐性を持つ病原性菌類の世界的な広がりが、ヒトの健康への深刻な脅威となっているため、他とは違う作用機序を持つ抗真菌薬の発見が必要とされている。しかし、これまで報告されていない抗生物質の活性に基づく従来のスクリーニング手法では、既知の化合物が高頻度に再発見されたり、新たな抗真菌標的が欠如していたりすることによって妨げられてきた。今回我々は、系統学に基づく天然産物発見プラットフォームを使って、新しいポリエン抗真菌抗生物質であるマンディマイシン(mandimycin)を発見したことを報告する。マンディマイシンはmand遺伝子クラスターによって生合成され、既知のポリエンマクロライド抗生物質とは異なった進化を遂げており、3種類のデオキシ糖によって修飾されている。マンディマイシンはin vitroとin vivoの両方で、幅広い多剤耐性病原性菌類に対して強力かつ広域性の殺真菌活性を持つことが実証された。エルゴステロールを標的とする既知のポリエンマクロライド抗生物質とは対照的に、マンディマイシンは菌類の細胞膜にあるさまざまなリン脂質を標的にして、その結果、菌類細胞にとって不可欠なイオンを放出させるという独特の作用機序を持つ。複数の標的に結合できるこの独特な能力のおかげで、マンディマイシンは強力な殺真菌活性を持つとともに、耐性を回避できる。系統学に基づく天然物発見戦略を利用したマンディマイシンの特定は、独特な作用機序を持つ抗微生物化合物の発見における重要な進歩であり、そうした化合物は多剤耐性病原性菌類と闘うために開発される可能性がある。

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