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がん免疫療法:HIVの免疫エバシンであるNefが同種異系CAR T細胞の効力を高める
Nature 640, 8059 doi: 10.1038/s41586-025-08657-0
自家キメラ抗原受容体(CAR)T細胞は遺伝子改変療法の1つであり、B細胞悪性腫瘍や多発性骨髄腫に非常に効果的である。しかし、CAR T細胞の個別化製造には時間とコストがかかるため、利用には制限があり、患者は病勢進行の危険にさらされる。同種異系の細胞療法は、患者のアクセスを向上させて治療転帰を改善する可能性があるが、免疫拒絶により制限される。今回我々は、同種異系のCAR T細胞を宿主の免疫細胞から保護する戦略を考案するために、ウイルスに感染したリンパ球が免疫を回避する組み込み機構を進化させたリンパ球向性ウイルスに注目した。ウイルスのエバシン(evasin)は、ヒト白血球抗原クラスIの発現を部分的に低下させるので、適合していないCD8+ T細胞からCAR T細胞を保護でき、またナチュラルキラー細胞による「ミッシングセルフ」拒絶を引き起こさないことが分かった。しかし、この保護だけでは、効果的な同種異系CAR T細胞療法を維持するには不十分であった。HIV-1 Nefは、セリン/トレオニンキナーゼPak2を介する独自の作用もあり、in vivoでCAR T細胞の活性化誘導性細胞死を軽減し、生存を促進する。従って、ウイルス様の免疫回避は、協調して機能するいくつかの機構を利用可能であり、同種異系CAR T細胞の治療効果を高められる。

