Article
ゲノミクス:マカク属サルのゲノムの完全な塩基配列の統合解析
Nature 640, 8059 doi: 10.1038/s41586-025-08596-w
カニクイザル(Macaca fascicularis)とアカゲザル(Macaca mulatta)は、生物医学や進化学の研究に極めて重要である。しかし、それらのゲノムの複雑性および種間の遺伝的差異はいまだ解明されていない。今回我々は、カニクイザルの完全なゲノムアセンブリーを提示し、マカク属サルのゲノムではヒトと比較してセグメント重複が46%少なく、セントロメアが3.83倍長いことを明らかにする。また、1塩基対の分解能で、マカク属サルとヒトの間に93の大規模なゲノム差異が見いだされ、それらが霊長類の進化で遺伝子調節に与えた影響が浮き彫りになった。マカク属サルの10例のロングリードゲノム、数百のショートリードゲノム、そして完全長トランスクリプトームデータを用いることで、これら2種の間のさまざまな表現型の差異と関連付けられる可能性のある、約2 Mbpの固定された遺伝的バリアント、約240 Mbpの複雑な座位、16.76 Mbpの遺伝的分化領域、110の選択的スプライシング事象が明らかになった。まとめると今回の統合遺伝子解析は、系統特異的な表現型、適応、霊長類進化に関する理解を深めるものであり、それによって、これらのサルのヒト疾患研究での生物医学的応用が改善されるだろう。

