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物性物理学:多層グラフェンにおける揺らぐ磁性とポメランチュク効果

Nature 640, 8058 doi: 10.1038/s41586-025-08725-5

磁性は典型的には、交換相互作用が、f原子軌道やd原子軌道における高度に局在したフェルミオン波動関数に及ぼす効果から生じる。対照的に、菱面体晶多層グラフェン(RMG)では、磁性は1つ以上のスピンおよびバレーのフレーバーへの自発分極として現れ、ファンホーブ特異点近傍の遍歴電子に由来している。今回我々は、この系における電子エントロピーが、完全な遍歴金属中の電子としては予想外の、通常は乱れた局所磁気モーメントに関連付けられる特徴を示すことを実験的に明らかにする。具体的に我々は、キュリー温度から始まり1桁以上の温度にわたり残存する、電荷キャリア1個当たりの寄与ΔS ≈ 1 kBを見いだした。一次相転移は、揺らぐモーメント相が近傍の対称なフェルミ液体よりもエントロピー的に有利となる、アイソスピン「ポメランチュク効果」を示した。今回の結果は、電子波動関数の遍歴性にもかかわらず、個々の電子のスピンおよびバレーの分極は結合しておらず、これは、例えば固体3Heで起こるように、通常は局在化したモーメントに関連付けられる現象であることを示唆している。輸送測定の結果は意外にも、揺らぐモーメント領域における有限温度の抵抗極小値を示しており、我々はこれが、揺らぐ磁気モーメントと電子–フォノン散乱の相互作用に起因すると考える。今回の結果は、二次元平坦バンド系へのソフトなアイソスピンモードの普遍性を強調するものである。

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