Article
生態学:獲得的な樹種に広く見られる遅い成長
Nature 640, 8058 doi: 10.1038/s41586-025-08692-x
樹木は、光合成を通してバイオマスを蓄積するため、重要な炭素シンクである。従って、植林による効果的な気候変動の緩和には、成長の速い樹種を特定することが極めて重要だと一般的に考えられている。種の特性は植林計画や森林管理に重要な情報であるが、野外研究では種の機能形質と樹木の成長の間に明確な関係が見いだされないことが多い。本研究で我々は、4つの独立したデータセットを統合して、樹木をそれらの機能形質値に基づいて獲得的な(acquisitive)種と保守的な(conservative)種に分類し、成長が速いとされる獲得的な樹種が野外条件では概して成長が遅いことを示す。現在のパラダイムと野外観察結果の間のこうした不一致は、成長に影響を及ぼす環境条件との相互作用によって説明される。獲得的な種は湿潤で温和な気候と肥沃な土壌を必要とするが、こうした条件は一般に野外環境では満たされない。対照的に、成長が遅いとされる保守的な種は、不利な環境条件に耐える能力ゆえに、概して実際の成長速度が高くなる。一般に、非熱帯林では、獲得的な樹種よりも保存的な樹種の方がより安定に成長する。我々は、獲得的な樹種の植林は、その高成長の潜在能力を実現できる地域で行うべきであると推奨する。それ以外の環境ストレスが高い地域では、保存的な樹種の方がバイオマスに炭素を固定する能力がより高いと見られる。

