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がん:協調的な栄養素捕捉が、がんの進化上の利点となる
Nature 640, 8058 doi: 10.1038/s41586-025-08588-w
腫瘍内での悪性細胞の生存は、多くの場合、栄養素をはじめとする資源を巡る厳しい競争の上に成り立っていると見られている。腫瘍の進化とがんの進行にとっては、確かに競争が重要だが、腫瘍内部での協調的な相互作用も、ほとんど解明されてはいないにしても重要である。生物学的組織のあらゆるレベルにおいて、協調的な集団の大きさには重要な臨界閾値があり、集団のサイズがそれ以下になると消滅する危険がある。今回我々は、腫瘍細胞間の協調が治療標的になる可能性があるかどうかを調べた。そして、腫瘍の微小環境で見られるアミノ酸の不足した状況下で腫瘍細胞の増殖を可能にしている協調機構を明らかにした。この協調機構を破壊すると、培養腫瘍細胞集団は消滅の臨界点に至り、in vivoでは腫瘍の増殖が著しく減衰した。機構としては、腫瘍細胞がアミノペプチダーゼの分泌を介して集団として細胞外オリゴペプチドを消化することが明らかになった。生じた遊離のアミノ酸は、アミノペプチダーゼを分泌する細胞と周辺の細胞の両方に利益をもたらす。我々は、細胞外でこれらのペプチドを加水分解する重要な酵素がCNDP2であることを突き止めた。このアミノペプチダーゼが失われると、in vitroでもin vivoでも腫瘍の増殖が妨げられる。これらのデータは、栄養素の協調的な回収が腫瘍微小環境内での生存に重要であることを示しており、がんの治療標的となり得る脆弱性が明らかになった。

