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ウイルス学:保存されたHIV-1スペーサーペプチド2がマトリックス格子の成熟を開始させる

Nature 640, 8057 doi: 10.1038/s41586-025-08624-9

ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)のウイルス粒子は、感染性のない未成熟な形で放出される。主要な構造ポリタンパク質であるGagがタンパク質分解されて機能を持つドメインになると再編成が誘発され、感染性のある成熟ウイルス粒子が生じる。未成熟ウイルス粒子では、Gagの膜結合ドメインであるMAが六量体のタンパク質格子を形成し、これが切断後に構造変化を起こして、異なった成熟型のMA格子となる。このMA格子の成熟機構は解明されていない。今回我々は、MAの約300残基下流に位置し、機能が不明の保存されたペプチドであるスペーサーペプチド2(SP2)が遊離してMAに結合し、構造の成熟を引き起こすことを明らかにした。MAのウイルス内での構造を高分解能で決定することにより、MAはこれまで考えられていたようにサイドポケット内に脂質を結合するのではなく、成熟格子を安定化するタンパク質–タンパク質界面の不可欠な成分としてSP2と結合することが分かった。Gagの切断部位変異体の解析によって、MAの成熟にはSP2の遊離が必要なことが明らかになり、in vitro実験により、精製したMAの脂質単分子膜上での成熟誘導にはSP2があれば十分であることが実証された。SP2が誘発するMA成熟は、標的細胞とウイルスのより迅速な融合に関連することが分かった。これらの結果から、HIV-1の2つの成分間で起こる予想外の相互作用が新たに明らかになり、成熟MAの高分解能構造が得られ、MAの構造的成熟の引き金が明確になり、SP2ペプチドの機能が特定された。

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