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薬理学:CB1の隠れたポケットが駆動する末梢および機能の選択性

Nature 640, 8057 doi: 10.1038/s41586-025-08618-7

現在のオピオイド過剰摂取の流行は、慢性疼痛のより安全でより効果的な治療法開発が急務であることを明らかにしている。カンナビノイド受容体タイプ1(CB1)は鎮痛の有望な非オピオイド標的であるが、その臨床的な利用は中枢における精神作用と薬剤耐性により制限されている。今回我々は、末梢でのみ作用発現し、さらにアレスチンシグナル誘発を最小化したCB1作動薬を設計することにより両方の問題点を克服した。つまり、強力なCB1作動薬MDMB-Fubinacaの正の電荷を持つ誘導体を計算設計することで、これらの目標を達成した。我々は、分子動力学シミュレーションで突き止められた隠れたポケット、すなわち、保存された信号伝達残基D2.50へとつながり、まれに開口する結合ポケットを占めるように、これらの誘導体を設計した。さらに、これらのリガンドの結合様式を検証し、これらがアレスチンシグナルの減弱を達成する分子機構を決定するために構造決定と薬理学的分析、分子動力学シミュレーションを用いた。我々のリードリガンドであるVIP36は、極めて末梢作用限定的であり、3種のマウス疼痛モデルで顕著な効能があり、鎮痛有効性と中枢媒介副作用間で100倍の用量解離があった。VIP36は末梢CB1受容体を介した鎮痛有効性を表し限られた鎮痛耐性を示す。これらの結果から、Gタンパク質共役受容体中の隠れたポケットを標的とすることで、末梢選択性の向上と偏った細胞内シグナル伝達、望まれるin vivoでの薬理作用および副作用の減弱へと導く機序が示される。これにより、慢性的な痛み治療のための実際的な示唆が得られるだけでなく、他のGタンパク質共役受容体を標的とする薬剤設計も変革されるだろう。

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