Article

生態学:土壌無脊椎動物の改変作用が生態系機能に及ぼす全球的な影響

Nature 640, 8057 doi: 10.1038/s41586-025-08594-y

シロアリ類やアリ類、貧毛類によって形成される生物起源の構造は、全球の生態系において主要な機能を果たしている。しかし、そうした小さいが重要な無脊椎動物による土壌改変作用が全球規模で引き起こす影響の駆動要因については、ほとんど知られていない。今回我々は、6大陸の1047件の研究から得られた1万2975例の観察データのメタ解析に基づき、これら3つのタクソン全てが、参照土壌と比べて、土壌の多量栄養素量、土壌呼吸、土壌微生物、植物生物量を増大させていることを明らかにする。シロアリ類が土壌呼吸および植物生物量に及ぼす影響、ならびに貧毛類が土壌の窒素量とリン量に及ぼす影響は、年間平均気温の上昇とともに増大し、熱帯地域で最大となっていた。一方、アリ類が土壌の窒素量とリン量、そして植物の生物量と生存率に及ぼす影響は、一次生産力が最も低い中緯度の生態系で最大であった。注目すべきことに、シロアリ類は熱帯で植物のリン制限を、アリ類は温帯で植物の窒素制限をそれぞれ緩和することによって植物の生育を促進していた。本研究は、こうした無脊椎動物タクソンが全球の生物地球化学的循環および生態系機能において果たす重要な役割を浮き彫りにしている。土壌を改変するこれらの無脊椎動物の重要性を考慮すると、特に炭素フラックスや栄養素循環に関しては、生物地球化学モデルにこれらの作用をより適切に組み込むべきである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度