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神経科学:学習は海馬に直交する状態機械を作り出す
Nature 640, 8057 doi: 10.1038/s41586-024-08548-w
認知地図は、思考、計画、行動の形成に使用できる空間的、時間的、概念的な関係を表現することによって、動物に柔軟な知能を与えている。認知地図は、海馬で観察されてきたが、そのアルゴリズム形式や学習の機構はよく分かっていない。今回我々は、大規模かつ縦断的な2光子カルシウム画像化を用いて、仮想現実内でわずかに異なる2つの直線経路から報酬を効率よく集める課題を学習中のマウスで、海馬CA1領域の数千個のニューロンから活動を記録した。その結果、学習の全経過にわたって、マウスの行動と海馬神経活動はどちらも複数の段階を経て進行し、行動効率の改善を反映する課題表現が徐々に改善されることが明らかになった。学習の過程で、経路内および経路間で当初は類似していた海馬神経活動が漸進的に脱相関し、最終的には課題の固有構造を捉える状態機械と類似した直交した表現に至った。この脱相関過程は、課題状態特異的な反応を獲得する個別の細胞(つまり「状態細胞」)によって駆動される。さまざまな標準的人工ニューラルネットワークでは、こうした動態は自然に再現されなかったが、隠れマルコフモデルの変形であるクローン構造因果グラフは唯一、最終的な直交状態と動物に見られる学習軌跡の両方を再現した。観察された細胞動態と集団動態は、海馬における認知地図形成の基盤となる機構に制約を与えており、これは、隠れた状態の推論が基本的計算原理であることを示すとともに、生物学的知能にも人工知能にも意味を持つ。

