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微生物遺伝学:古ゲノムから南北アメリカ大陸の梅毒トレポネーマについての深遠な歴史が明らかになる
Nature 640, 8057 doi: 10.1038/s41586-024-08515-5
ヒトのトレポネーマ感染は、非常に近縁な梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)ファミリーによって引き起こされ、フランベジア、ベジェル、ピンタ、そして最も有名な梅毒といった疾患を発症させる。これらの病原菌の共通の起源や梅毒自体の歴史に関する議論では、アメリカ起源であるとする「コロンブス説」の証拠と、中世やそれ以前にユーラシアに梅毒が存在したとする「先コロンブス説」の証拠が比較検討されてきた。分子データによって、分類された亜種を区別する遺伝的基盤は得られているが、現在利用可能なわずかな古ゲノムデータから導き出せる結論には限界があるため、これらの亜種群の深遠な進化はまだ明らかにされていない。今回我々は、この進化の歴史を探るために、南北アメリカ大陸への接触が起こる前および起こった頃の南北アメリカ大陸由来の5つの古トレポネーマゲノムの解析を行った。これらはT. pallidum subsp. pallidum(梅毒)系統、T. pallidum subsp. pertenue(フランベジア)系統、およびT. pallidum subsp. endemicum(べジェル)系統の古近縁菌である。我々のデータは、南北アメリカ大陸における梅毒トレポネーマのまだ調べられていない多様性の存在と、ヒトがこの地に定着した後での梅毒トレポネーマの出現を示している。総合的にこれらの結果は、ゲノムレベルで特徴付けられた全ての梅毒トレポネーマは、現在、古代を問わず、アメリカ起源であることを裏付けている。

