フォトニクス:超広帯域幅のフォトニックチップベースのパラメトリック増幅器
Nature 639, 8056 doi: 10.1038/s41586-025-08666-z
現代の通信に不可欠な光増幅は、主としてエルビウムドープファイバー増幅器(EDFA)に依存している。しかし、EDFAは光ファイバーの低損失スペクトルの一部しかカバーできておらず、これが、エルビウムの利得窓を超えて動作する増幅器の開発の動機付けとなっている。固有の三次光学非線形性を用いた光パラメトリック増幅器(OPA)に関する先駆的研究が、チャネル容量増大の実証につながった。OPAは、高い利得をもたらし、位相保持増幅器の3 dB量子限界に達することができり、一方向の動作を示す。しかし、高非線形ファイバーやバルク導波路のパワー要求によって、その採用は阻まれてきた。対して、集積フォトニック回路ベースのOPAは、モード閉じ込めや光学非線形性の大幅な増大という利点をもたらすが、帯域幅が限られていた。今回我々は、二酸化ケイ素(SiO2)上のガリウムリン(GaP)低損失フォトニック集積回路(PIC)を用いることでこの課題を克服し、0.25 mm2という小さなフットプリントで、わずか数センチメートルの長さの導波路を用いて最高35 dBというパラメトリック利得を達成した。約140 nm(すなわち17 THz)という超広帯域幅にわたって、10 dBを超えるファイバー・トゥ・ファイバーの正味利得が達成され、CバンドEDFAと比較して利得窓が3倍に増大した。我々はさらに、低雑音指数を維持しつつ、6桁にわたる高ダイナミックレンジの入力信号を実証した。我々は、こうした性能特性を利用してコヒーレント通信信号を増幅した。これは我々の知る限り、フォトニックチップでは初めての超広帯域幅で高利得の連続波増幅であり、次世代集積フォトニクスに向けて新しい可能性を開くものである。

