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神経学:グリコカリックスの調節異常は老化や疾患において血液脳関門を障害する
Nature 639, 8056 doi: 10.1038/s41586-025-08589-9
血液脳関門(BBB)は循環血中の有害な因子から脳を保護し、脳の恒常性を維持するために高度に特殊化している。脳内皮グリコカリックス層はBBB内腔を覆う糖質に富んだ網目構造で、主にプロテオグリカン、糖タンパク質、糖脂質から構成されており、BBBの主要な構造要素である。この層は血液と脳血管系の間の最初の界面を形成するが、その組成や、恒常状態や疾患状態でBBB機能を支えるためにこの層が果たしている役割についてはほとんど分かっていない。今回我々は、老化や神経変性疾患に際して、脳内皮グリコカリックスの調節に著しい異常が生じることを報告する。我々は、これまであまり調べられていなかったクラスである、高密度O-グリコシル化タンパク質(ムチンドメイン糖タンパク質として知られる)に著しい乱れがあることを突き止めた。我々は、マウスにおいて、老化および疾患に関連した脳内皮ムチンドメイン糖タンパク質の異常がBBB機能の調節異常を引き起こし、重篤な場合には脳出血につながることを実証する。さらに我々は、老齢マウスにおいて、アデノ随伴ウイルスを用いてコア1ムチン型O-グリカンを脳内皮で回復させると、BBB機能を改善させ、神経炎症や認知機能障害を軽減できることを示す。まとめると我々の知見は、老化脳内皮グリコカリックス層の組成と構造の詳細なマッピングを提供するとともに、老化や疾患に関連したグリコカリックスの調節異常がBBBの完全性や脳の健康に重要な影響を及ぼすことを明らかにしている。

