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がん:RNAネオアンチゲンワクチンは膵臓がんで長期生存CD8+ T細胞をプライミングする

Nature 639, 8056 doi: 10.1038/s41586-024-08508-4

がんワクチンに関する根本的な課題は、腫瘍抗原特異的で長寿命かつ機能的なT細胞を作り出すことである。今回我々は、変異の少ない致死性のがんである膵管腺がん(PDAC)では、体細胞変異由来のネオアンチゲンに対するmRNA–リポプレックスワクチンが、この課題を解決する可能性があることを明らかにする。我々は、PDAC患者を対象に、外科的切除、アテゾリズマブ(PD-L1阻害抗体)、autogene cevumeran(骨格を最適化したウリジンmRNA–リポプレックスナノ粒子の個別化ネオアンチゲンワクチン)、修正フォルフィリノックス(mFOLFIRINOX、化学療法)を行った第1相試験の中央値3.2年の追加経過観察期間において、無再発生存期間(RFS)は、ワクチンによって誘導されたT細胞を有するレスポンダー(n = 8、RFS中央値未到達)が、ワクチンによって誘導されたT細胞を持たない非レスポンダー(n = 8、RFS中央値13.4カ月)より長い(P = 0.007)ことを見いだした。レスポンダーでは、autogene cevumeranは平均推定寿命7.7年(範囲は1.5年からおよそ100年)のCD8+ T細胞クローンを誘導し、クローンの約20%が宿主寿命を上回る数十年の潜在的な寿命を示した。患者1人当たり86%のクローンが、ワクチン接種後およそ3年の時点でかなりの頻度で持続しており、PDACネオエピトープに対して高いアビディティーを持つクローンを含んでいた。我々は、単一T細胞の表現型を追跡するための新たな計算戦略であるPhenoTrackを用いて、ワクチンが誘導するクローンはワクチン接種前の組織には検出されず、ワクチン接種後最長で3年にわたり、ネオアンチゲン特異的なエフェクター機能を維持したまま、細胞傷害性を持つ組織常在型記憶T細胞様状態で存在し続けることを明らかにする。2人のレスポンダーは再発し、ワクチンで誘導されたT細胞の減少が明らかとなった。さらに、再発したPDACではワクチンの標的となるがんクローンが取り除かれていた。このように、autogene cevumeranはPDACにおいて、複数年の寿命を有し、かなり強力かつ持続的なエフェクター機能を持つCD8+ T細胞をde novoに誘導し、それらはPDACの再発を遅らせる可能性がある。従って、アジュバントとしてのmRNA–リポプレックスネオアンチゲンワクチンは、がんワクチン接種における極めて重要な障害を解決する可能性がある。

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