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気候科学:北海の泥炭が明らかにした前期完新世の全球海水準上昇
Nature 639, 8055 doi: 10.1038/s41586-025-08769-7
前期完新世の最終退氷期の最終段階における相対的な海水準上昇の速度は、温暖化する気候下での将来の氷の融解と海水準変動を理解する上でカギとなる。こうした速度についてのデータは乏しく、これが、前期完新世の全球海水準上昇に対する北米と南極の氷床の相対的寄与に関する知見を制限している。今回我々は、北海(ドッガーランド)の88カ所の海水準データ点(1万3700〜6200年前)に基づく、前期完新世の海水準曲線を提示する。ユーラシア氷床の融解により引き起こされた地域的な氷河性地殻均衡のパターンを取り除いた後に残った海水準の信号は、海水準上昇の2段階の加速を浮き彫りにしている。北米と南極の氷床を起源とする融解水が、約1万300年前と約8300年前に最大値を持ち、速度が8 mm yr−1と9 mm yr−1の間にある、この2つの段階を駆動した。我々の結果はまた、1万1000〜3000年前の全球の平均海水準上昇が37.7 m(2σ範囲で29.3~42.2 m)に達することを示しており、これによって、氷床復元に基づく全球平均海水準上昇の見積もりとこれまで限定的だった前期完新世の海水準データの間に存在した不整合が解決した。北海のデータセットは、時間空間的な範囲が広いため、北米と南極の氷床の後期退氷のパターンと速度に重要な制約を与えており、これにより気候変動に対する地球システムの応答についての理解が深まる。

