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大気化学:南極のオゾン回復のフィンガープリンティング
Nature 639, 8055 doi: 10.1038/s41586-025-08640-9
南極のオゾン「ホール」は1985年に発見され、人工のオゾン層破壊物質(ODS)がその主な原因とされている。モントリオール議定書の下でのODS削減に続いて、オゾン回復の兆候が、主に観測結果と、大まかだが信憑性の高いモデル–データ比較に基づいて報告されている。そうしたアプローチは非常に有益だが、内部気候変動の存在下において南極オゾン回復の時空間的構造の厳密な統計的検出は得られない。今回我々は、気候変動研究に用いられているパターンベースの検出方法と帰属方法を適用して、暦月と高度の関数としての傾向パターン情報に基づいて、人為起源の強制されたオゾン応答と内部変動とを分離した。この解析では、人工衛星観測をシングルモデル・アンサンブル・シミュレーションおよびマルチモデル・アンサンブル・シミュレーションと合わせて用いて、南極のオゾン回復の暦月–高度の「指紋(フィンガープリント)」を特定・定量化した。我々は、2005年以降減少し続けているODSに対するオゾン応答のフィンガープリントパターンにおいて、データとシミュレーション結果が説得力のある一致を示すことを実証する。我々はまた、ODSの強制が南半球春季におけるオゾンの内部変動を増大させており、これが強制応答とその発生時期の検出に影響を及ぼすことも示す。今回の結果は、モントリオール議定書の下で講じられたODS削減措置が実際に、予想された暦月–高度パターンと一致するオゾン増加として定義された南極のオゾン回復の始まりにつながっていることを示すロバストな統計的・物理的証拠を提示している。

