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進化学:鰓の遺伝子調節プログラムの転用による外耳の進化
Nature 639, 8055 doi: 10.1038/s41586-024-08577-5
進化の過程で新しい構造がどのように出現するかは、生物学における古くからの関心事である。その一例に、哺乳類の中耳の小さな骨が祖先の魚類の下顎骨からどのように生じたかというものがある。対照的に、哺乳類のまた別の新機軸である外耳の進化的起源については、それが化石にほとんど残らない非鉱物化弾性軟骨によって支持されていることもあり、いまだ明らかにされていない。外耳が、de novoで出現したのか、それとも祖先的な発生プログラムの再利用によって生じたのかは、これまで不明であった。今回我々は、外耳の遺伝子調節プログラムが、その初期の形成とその後の弾性軟骨の発達の両方において、魚類および両生類の鰓のものと同じであることを示す。ヒトの外耳とゼブラフィッシュの鰓の比較単一核マルチオミクス解析によって、保存された遺伝子発現と、共通の転写因子結合モチーフに富むエンハンサーと推定されるものが明らかになった。これは、ヒト外耳のエンハンサーが魚類の鰓で、また、魚類の鰓のエンハンサーがマウス外耳で、それぞれ種を超えて活性を示すことに表れている。さらに、カブトガニの軟骨性書鰓の単一細胞マルチオミクス解析では、distal-less homeobox(DLX)を介した脊椎動物の鰓のプログラムと共通の発生プログラムが明らかになり、書鰓のdistal-lessエンハンサーはゼブラフィッシュの鰓で発現を引き起こした。我々は、無脊椎動物の鰓のプログラムの複数の要素が脊椎動物で再利用されて、最初に鰓が、次いで外耳が生み出されたと提案する。

