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神経科学:ヒト視床下部の包括的な空間・細胞地図

Nature 639, 8055 doi: 10.1038/s41586-024-08504-8

視床下部は、基本的な生体機能を協調させる重要な役割を持つ脳領域である。しかし、その基盤となる細胞成分と神経回路の理解は、最近までその大部分が齧歯類の研究に依存していた。今回我々は、43万3369個のヒト視床下部細胞の単一核塩基配列解読と空間トランスクリプトミクスと組み合わせて、視床下部の包括的な空間・細胞転写地図「HYPOMAP」を作製した。その結果、トランスクリプトーム上のアイデンティティーに基づくと、ヒトとマウスの間のニューロン細胞タイプの保存性は全般的に高いが、いくつかの注目すべき例外があることが明らかになった。特筆すべきは、プロオピオメラノコルチンニューロンのアイデンティティーおよびGタンパク共役受容体の発現レベルに、2種間で著しい差異が認められたことであり、これは現在承認されている肥満症治療法に直接的な示唆を与える。我々は、視床下部の452の細胞タイプのうち291のニューロンクラスターで、ボディーマス指数(BMI)ゲノム規模関連研究対象遺伝子の発現が有意に濃縮していることを見いだした。この濃縮は、426の「エフェクター」遺伝子によって駆動されていた。このうち6遺伝子(MC4RPCSK1POMCCALCRBSNCORO1A)については、そのまれな有害変異が集団レベルでBMIと関連しており、CORO1Aは従来BMIと関連付けられてはいなかった遺伝子である。このようにHYPOMAPは、空間的な情報を伴うヒト視床下部の詳細なアトラスを提供し、生殖障害、概日リズム障害、代謝障害など多岐にわたる疾患の治療に向けて、新しいドラッガブルな標的を特定するための重要な情報資源となる。

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