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社会科学:子どもの数学力は実用数学と学校数学の間で転移しない

Nature 639, 8055 doi: 10.1038/s41586-024-08502-w

世界中の低所得層の子どもの多くは学校数学を習得できずにいるが、学校外で暗算を多用する子どももいる。今回我々は、インドのコルカタとデリーにおいて、市場で働く子ども(n = 1436)を調査し、リアルワールド環境で習得した計算スキルが学校数学にも転移するのかどうか、またその逆についても調べた。その結果、こうした子どものほぼ全てが、仕事で複雑な算術計算を効果的に使用していることが分かった。また彼らは、具体的な状況と結び付いた仮定の市場計算問題や口頭での計算問題を解くことにも習熟していた。しかし、学校で一般的に用いられる抽象的な形式で提示された場合には、複雑さが同等かそれ以下の計算問題であっても解くことができなかった。市場に関連した計算問題における子どもの成績は、暗記、手助けの利用、馴染みある形式によるストレス軽減、あるいは正解を出すことに対する高いインセンティブでは説明できなかった。対照的に、近隣の学校に通う、市場で売り子の経験をしたことのない子ども(n = 471)では反対のパターンが見られた。これらの子どもは、単純な抽象問題はより正確に解くことができたが、市場関連の実用計算問題(働く子どもの3分の1以上が正しく解いた問題)に正解できたのはわずか1%であった(β = 0.35、標準誤差 = 0.03;95%信頼区間 = 0.30〜0.40、P < 0.001)。学校の子どもは非常に効率の悪い筆算を用い、異なる演算を組み合わせることができず、実生活や高等数学に役立てるには解答への到達が遅過ぎた。以上の知見は、直感的な数学と形式的な数学の間の溝を埋める教育カリキュラムの重要性をはっきりと示している。

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