計算機科学:量子ネットワークノード上でアプリケーションを実行するオペレーティングシステム
Nature 639, 8054 doi: 10.1038/s41586-025-08704-w
将来の量子ネットワークの目標は、古典的通信だけを使用して実現することが不可能な新しいインターネットアプリケーションを可能にすることである。これまで、量子プロセッサー上での量子ネットワークのアプリケーションとその機能の実証は、実験設定に特化したad hocのソフトウエアを用いて、実験物理学の専門知識に基づき単一タスク(アプリケーション実験)を低レベル制御デバイスに直接プログラムする方法で行われてきた。今回我々は、プラットフォームに依存しない高レベルソフトウエアにおいて、量子プロセッサー上で量子ネットワークアプリケーションを実行できるアーキテクチャーの設計と実装について報告する。我々は、このアーキテクチャーが高レベルのソフトウエアにおいてアプリケーションを実行する能力を、これを量子ネットワークオペレーティングシステム「QNodeOS」として実装して、ダイヤモンド中の窒素空孔(NV)中心を用いた2つの量子ネットワークノード上でのクライアントからサーバーへの委託計算を含む検証プログラムを実行することで実証した。我々は、今回のアーキテクチャーが、異なるアプリケーションをマルチタスク化することによって量子ネットワークハードウエアを最大限使用できるようにする仕組みを示す。このアーキテクチャーは、我々のシステムモデルに対応するいずれの量子プロセッサープラットフォーム上においてもプログラムの実行に使用できる。我々はこれを、40Ca+単一原子を用いたトラップイオン量子ノードについて、QNodeOS用に追加されたドライバーを実証することによって例示する。今回のアーキテクチャーは、量子ネットワークプログラミングにおける計算機科学研究の基礎を築くもので、量子ネットワーク技術を社会にもたらすことのできるソフトウエアを開発する道を開く。

