Article

光触媒:分子接合型光触媒によるメタン酸化によるエタノール合成

Nature 639, 8054 doi: 10.1038/s41586-025-08630-x

メタンは、天然ガスやシェールガスの主成分であり、化学合成にとって重要な炭素源である。温和な条件下でのメタンの直接部分酸化による液体の含酸素化合物(oxygenate)の合成は魅力的な方法であるが、メタン分子が不活性であるため、単一の目標生成物を目指して高変換率と高選択性を同時に実現するのは困難である。C–Cカップリングを要するさらに有用な生成物を目標とすると、この難しさは増幅される。そのため、選択的部分メタン酸化プロセスでは一般的にC1含酸素化合物が生成されているが、最近の報告では、光触媒的メタン変換によるC2含酸素化合物エタノールの合成が、変換率は低いものの良好または高い選択性で実証されている。今回我々は、ベンゼンモチーフとトリアジンモチーフが交互に並んだ共有結合性トリアジン系骨格-1という分子内接合型光触媒が、メタンのカップリングと酸化を駆動して、高い選択性と著しく向上した変換率でエタノールを生成させることを示す。このヘテロ接合構成は、電荷生成後に効率的で長寿命の電荷分離を可能にするだけでなく、トリアジンユニットへのH2Oの優先的吸着とベンゼンユニットへのO2の優先的吸着を可能にする。この二重部位の特徴によって、C–Cカップリングによるエタン中間体の形成が、•OHラジカル形成部位から隔てられるため、過剰酸化が回避される。さらに性能を向上させるためにPtを添加すると、この分子ヘテロ接合型光触媒によって、充填層フロー反応装置において大幅に向上した変換率でエタノールが発生し、9.4%という見かけの量子効率が得られた。我々は、今回の「分子内接合」法をさらに発展させることで、C–CカップリングによるメタンからC2+化学品への変換に関連する、しかしこれには限定されない、高効率かつ選択的な触媒が実現されると予想する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度