物性物理学:菱面体晶グラフェンにおける超伝導と量子異常ホール効果
Nature 639, 8054 doi: 10.1038/s41586-025-08621-y
カイラルエッジ状態における超伝導相関の誘起は、エキゾチックな量子統計を伴うトポロジカルに保護されたゼロエネルギーモードを生成すると予想されている。実験的な取り組みではこれまで、超伝導材料(典型的にはアモルファス金属)と、半導体の量子ホール系または量子異常ホール系の間の界面を操作することに重点が置かれてきた。しかし、この手法に固有の界面での強い乱れは、分離されたトポロジカルモードの形成を妨げる場合がある。魅力的な代替手法として、電場のみを使って固有の超伝導状態と量子異常ホール状態の間で基底状態を調整できる、低密度の平坦バンド材料を使用するというものがある。しかし、量子化された輸送と超伝導は、まだ同時には実現できていない。今回我々は、六方晶窒化ホウ素基板に整列させた菱面体晶4層グラフェンが、ゼロ磁場において、超格子充填率ν = −1で量子異常ホール状態を、ν ≈ −3.5で超伝導状態を有することを示す。また、ゲート電圧を使用して、量子異常ホール状態におけるカイラリティーの不揮発性スイッチングを作動させることができ、これにより、原理的には局所的にゲーティングされたデバイス中でトポロジカルエッジモードの任意に再構成可能なネットワークが可能になる。熱力学的な圧縮率測定からはさらに、ν = 2/3でのトポロジカル秩序を持つ分数チャーン絶縁体もまた、ゼロ磁場で安定であり、超伝導と分数電荷エッジモードの間の近接結合を可能にすることが示された。さらに我々は、菱面体晶2層および3層と同様に、遷移金属ジカルコゲニド層をヘテロ構造に一体化することで、新たな超伝導ポケットの核が形成されると同時に、ν = −1の量子異常ホール状態のトポロジーは当初のまま残ることを示す。今回の結果は、低い無秩序限界での超伝導体とトポロジカルなエッジ状態の間の新世代のハイブリッド界面に向けた道を開くものである。

