植物科学:修飾された宿主タンパク質複合体による植物のヘルパーNLRのバランスの取れた活性化
Nature 639, 8054 doi: 10.1038/s41586-024-08521-7
ヌクレオチド結合ロイシンリッチリピート(NLR)受容体は、病原体のエフェクターを感知することにより、植物免疫で重要な役割を果たしている。シロイヌナズナ(Arabidopsis)では、ある種のセンサーNLRがNADアーゼとして働いてセカンドメッセンジャーの産生を触媒し、これらのセカンドメッセンジャーはEDS1(enhanced disease susceptibility 1)とそのパートナーであるSAG101(senescence-associated gene 101)によって認識されて、ヘルパーNLRであるNRG1(N requirement gene 1)を活性化する。今回我々は、新たなクライオ電子顕微鏡構造により、セカンドメッセンジャーが活性化したEDS1–SAG101は、主にNRG1Aのロイシンリッチリピートドメインと接触して、誘導性EDS1–SAG101–NRG1A複合体の形成を仲介することを示す。構造の比較によって、セカンドメッセンジャーの結合がEDS1–SAG101にコンホメーション変化を引き起こし、それをNRG1Aが認識すると、NRG1Aのアロステリックな活性化につながることが分かった。さらに、NRG1ファミリーに属する阻害性因子NRG1Cは、セカンドメッセンジャーによって活性化されたEDS1–SAG101への結合に関して、効率良くNRG1Aに競り勝つことも明らかになった。これらの知見は、修飾された宿主のEDS1–SAG101複合体の認識を介したNRG1Aの活性化機構と、活性化されたEDS1–SAG101の隔離を介したNRG1CによるNRG1Aの阻害機構を明らかにし、植物の中心的な免疫応答系の活性化と制限についての手掛かりを示している。

